おんなじ星座

林立の夢を刈り取った手で

優しく微笑むのはやめてよ

背の順が嫌いだったことや

前へ倣えを疑ったことまで

よくできましたと言われて

あなたは何を私に望んだの

最終バスが去った後で

喪服の女が口笛を吹く

馬鹿だなと笑うあなた

その心は血まみれだね

選ばれなくて良かったと

凍雨の止まないバス停で

あなたと二人きりで黙り

もう来ないバスを待って

もう訪れない青春を乞う

優等生だったあなたと

劣等生だった私がいま

寄り添って生きている

七不思議に入っていい

現世は変なことばかり

馬鹿だなと言ってくれた

あなたも本当に馬鹿だね

でもきっと愚かというのは

理解できないことではなく

理解しようとしないことに

使用すべき言葉だと思うの

だからあなたは馬鹿だけれど

愚かではない

私だってきっとそうじゃない

あなたになり代わって

今日の空が泣いたとか

そんな陳腐さすら今は

相応しい気がしている

あなたが差し出した手が

血まみれだったから私は

口笛で流行歌を吹いては

微熱をごまかし続けてた

あなたの心がまっすぐに

悲しみに向かえますよう

あなたの視線がなにより

涙を赦しますようにって

願う私の身勝手さは今宵

月を隠して冷たく刺さる

バス停と二人の影に凛と

横顔に打ちつけるみぞれまじりの

不安と焦燥とが二人を支配してる

爪先まで冷え切った寂しさを抱え

だから一緒にいるべきなんだ

一緒にいなければならないよ

これは祈りであり命令なんだ

いつかバスがやってきて

あなたが乗り込んだとき

きちんと涙をほどくこと

私にそれを分けてくれて

いっせーの、で前を向き

おんなじ星座を見つけて

笑いあえる時が来ること

それを見届けるまで私

喪服の袖に付着してる

血は落とさずにいるよ

この匂いを携えながら

隣で春を待ち続けるよ

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