掌編小説/2020年10月31日/ 笹塚心琴 風鈴 1. ちりんちりんと軽やかな金属音が耳に心地よい。今日は少し風があるようだ。揺れる風鈴の姿こそ見えないが、季節が確実に巡っているのを感じることができる。風鈴はいつからあそこに飾ってあって、なぜ夏が過ぎても仕舞われないのか […] 続きを読む