おかえり、

飛び降りるには高すぎた歩道橋の

欄干は果たして優しさでしょうか

歩道橋の途中で手を伸ばしました

少しでもいいから近づいてみたい

月みたいに死骸となれば私だって

ひかりをあててもらえるかもって

そんなくだらなさに急かされては

私は私として今日も明日も無様に

私を自認して生きていけるのです

風が吹いたら馬鹿でもいいなんて

風を吹かせる人がいうんですから

馬鹿が推奨されてその内どこかで

トレンドになるんじゃないですか

そんなことより私にはもっと低い

いっそ欄干のない歩道橋を上って

朝日を拝めるまで立ち尽くし続け

馬鹿っていうほうが馬鹿なんだよ

そんな不毛さに全身を預けたくて

脳天から眼球を通って広がるのは

間違いなく小賢しいばかりの私が

数回しか吐いたことのない血へど

妄言こそが真実だと喚き散らして

その割にお肌のシミが気になって

一生懸命になって理由を探しては

これじゃないあれじゃないだけで

生きていい言い訳を見繕っている

私の視界に従属する優しさたちが

手足にまとわりついてもうじきに

口と鼻まで塞ぐことは予定調和だ

悲しいことがあってもたぶんそれ

妄想だよ勘違いだよ嘘だよ嘘だよ

だったら何を信じればいいのって

そんなの自己責任でしょ笑わせる

キープアウトの外郭で蠢く虫たち

春ですからもっと喘いでいいのに

遠慮しているのでしょうね哀れな

前髪を切ってしまおうかそれとも

歩道橋の欄干をぴょーんと越えて

地球にキスしてしまおうかしらん

私この星の一部のはずなのになぜ

こんなにも涙が流星みたいに溢れ

生きろ生きろ生きろ生きろ生きろ

うるさいうるさいうるさい黙れよ

死にたくはないし生きたくもない

生きながら死んでいく初春のおり

いかがお過ごしですか。

私いまからコンビニで

生きる言い訳を買いに行くの。

今なら値引き中みたいだから

歩道橋を渡って買いに行くの。

私欄干を外して踊るわ

明日の朝刊に載るかな。

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