モンブラン

あたしやっと
ピカピカに光る
モンブランを食べた
ママが絶対にこれだけは
食べちゃダメだって
しつこく言ってたから 食べた

あたしがいつか
誰かから「彼女」と呼ばれて
知らない間につけられた名前を
遺棄できる瞬間が来る

嬉しくて楽しくてよくわかんなくて
たぶん望まなくてもみんな
あたしがここで歌ってたことなんて
忘れちゃうのになあ 無駄

涼やかな冬がどこにもないの
ほらあたしの戯言みたいに
莫迦が正直者の真似事をする
よしよしうるさい礼賛を
全身で受けとめてきたからもう
なにもかもを塞ぐしかないの

この手でいだけない命なら
そんなものはランパトカナルだ
あたしの苛立ちの正当性しか
示してくれない阿呆な星よ
あ|わ|れ|! (クスクス)

ピカピカに光るモンブランは
やりきれない気持ちを土葬する
とっておきのコツを教えてくれる
途切れた書簡とおんなじだ
幾度生まれ変わったって
あたしは誰かの彼女になって
名前を呼ばれることを嫌って
ショーケースに一緒に居座る
阿呆な彼氏だけを縛りつける

ママが絶対にこれだけは食べちゃダメだって言ってたから食べたのだからママのせいあたしはたぶん悪くないなんにも悪くなんてない

ピカピカに光るモンブラン
本当はブラウンでもイエローでもなく
甘くなんてなくて味なんてなくて
どこにも存在しなかったんだ
もちろんあたしの認識の中にさえ

雨を待とう
あたしいつも笑ってらんない
だって誰も夜を拒めないでしょ

(少し黙っててくれないか)

ピカピカのピアスを外して

早く此処へ来て全てを諦めて

人間やめれば幸せか? って

あの日みたいに脅迫してね

野良犬の遺骸を踏み台に
あたしは新しい朝日を拝むんだ
優しかった誰かさんの
ラストシーンから目を逸らして

胎盤胎盤胎盤胎盤胎盤胎盤胎盤

揺れて

裂けて

泣いた

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