現代詩

posted on2019.9.30.

いい子

あなたがどんな造形をしていても 私にはわかるから もう着飾るのはやめてください あなたがどんな憧憬を抱いていても 私にはわかるから もう浸るのはやめてください あなたにしか見えない姿を きちんと見せてみせましょう もちろ […]
posted on2019.9.27.

檸檬

私がいなくなるときにはちゃんとあなたに報告します 手紙を書きます、かわいげのないくせ字になりますけど この前一緒に見た映画には風が全然吹いていなかったので あの館内のどこかには爆弾が隠されていたのでしょう 気づいたら破裂 […]
posted on2019.8.17.

キラキラ

花壇に仰々しく設えられた花を見て、命がねじ曲げられているのを目の当たりにし、キラキラした街から取り残されたことを改めて思い知る。 人々が口々におめでとうというのを、耳を塞いでやり過ごしていた、夜がもうつらい。耳たぶに冷た […]
posted on2019.8.17.

スープ

あなたの指先はいつもかすかに震えている 寒さのせいじゃないね 病気のせいでもないね いろいろが溶けたあたたかなスープのせい よくばりな私をどうか叱ってください 見守るばかりが優しさではないように いつか枯れるから花を愛せ […]
posted on2019.8.17.

バイバイ、wi-fi

バスターミナルで誰かを待つふりをして 老婆が巧妙な罠を張る 家路を急ぐ人々が一人残らず 孤独に苛まれますようにと 願いを込めた売り物のマッチ バスターミナルは前しか見えない人だけ 老婆が何度も言問する 家路を急ぐ人々に一 […]
posted on2019.8.17.

一等星

うまく叫べなくて うまくないなって 月の上みたいって 指先ばかり雄弁で 招かれた交歓会で たくさんの屍肉を たくさんの人々が 嬉しそうに食んで うまく叫べなくて 刺々しい気持ちに 支配されてしまう 美しいせいだろう (怒 […]
posted on2019.8.17.

愛のみぞおち、青の記憶

君からの手紙を全部焼きつくし残った灰を愛と名付ける みんなが希求している愛とは、大抵が残滓なのだと思う。本来なら欲求のみで生きられた僕らが愛を求めるようになって、この星はおかしくなった。思い出は青い記憶となり、砂塵のごと […]
posted on2019.8.17.

リジェクション

怒りは今ここに 血まみれのシクラメンとともに 鮮やかに咲いている 真冬のそっけない空に 赤赤と揺れる 恥知らずなシクラメン! 怒りは虚しさと悲しみと手を繋いでおり、同時に去来するが故に非常に厄介である。 身勝手さは刃か、 […]
posted on2019.8.17.

パンを焼く

春を探しに出かけた 彼は帰ってはこない 湖面に浮かんださかさまのボート 戻らないものというのは悲しいね 白々しく月が湖面を照らしていた 花束を手向けに来る人々は口々に 「綺麗ね」「綺麗ね」「綺麗ね」 まるで冬眠から目覚め […]
posted on2019.8.17.

冬の街(否定)

「これ、あなたのですか?」 最後のひとかけらを零してしまった 世界に否定された気がした 左手首の傷が疼いた 気の早い風が春の香りを纏っていた 花壇に小指が埋まっていた 見つけたことを後悔した 全部寒さの所為にし […]
posted on2019.8.17.

帰り道

コーヒーはブラックじゃないと飲めなくなった、それを大人になったと暫定的に定義すると、大人になるとは制約が増殖することなのかもしれない。 自由を剥ぎとられて裸になる時、肩書きが意味をなさなくなる時、背伸びをやめた時、大人に […]
posted on2019.8.17.

君が見たまぼろし

悪魔が悪魔でいる限り 天使は天使でいられる 正しさが正しくある限り 狂気の境界線が引かれる (極めて恣意的に) 私はラベリングされる 私に名前が与えられる この世界のどこに、おかしくない奴がいるだろう。正しさはただの多数 […]
posted on2019.8.17.

我が青春のカリカチュア

ガラス瓶を割って ノートを引き裂いて 思い出の歌を燃やして それでも無傷の世界を憎んだ 勝手に祝福されている季節が 容易く流す光が乱反射して 有象無象の天使達に歓迎される 僕は命を度外視して 悲しいことがある […]
posted on2019.8.17.

キルティング

夕闇に染まる帰り道で 汚れた十円玉と一緒に 小さな首が落ちていたもので 縫い合わせてみることにした 不器用なもので針で中指を刺してしまい ああ、と言ったきり言葉が出なくなった 窓越しに快速電車を見送ったあとで 誰かの悲鳴 […]
posted on2019.8.17.

darling

お願いまだ冥福は祈らずに 薄汚く居残らせておくれよ 今日も懲りずにまた 目を覚ましたんだよ 自問自答は放物線を描いて 私を拒絶し続けるけれども 生きるってさ 生きてくってさ 諸々食ってさ 腐ってくことか それでもやっぱ生 […]
posted on2019.8.17.

エコー

累々とした手と手と手と 滔々とした舌に飲まれて ─私はついに溺れました─ 誰も助けてくれなかった 誰もみなスマホを見てた 何が悲しいとは愚問です 見上げた星空の何処にも 約束が見つからなかったのですから 孤独は最早 詠う […]
posted on2019.8.17.

カーディガン

人はたやすく過ちを犯すね 過ちを過ちと知っていながら 何度も繰り返し過ちを犯して それらを葬ってしまうのだね 人は簡単には変われないと 可能性の芽を摘み取るばかりの 愛と正義を自称する大合唱はやがて 足並みを揃え堅牢な合 […]
posted on2019.8.17.

シューゲイザー

饐えた銀河の隅っこでうずくまる 私の影を踏みつけて過ぎてゆく人々よ みんなの幸せを願っています 風邪をひいてしまったから 私、赤く腫れた両目で見つめるだけですが 青空のこと 黄色いクラシックカーのこと だいだい色のポピー […]
posted on2019.8.17.

多摩川河川敷

僕には、自分が世界にとって異物であるという自覚をして以来、自在に記憶を捨てたり書き換えたりする癖がつきました。 例えば新しい靴を初めて履くときは左からという拘泥を、くだらないとわかりつつやめられなかったこと。モラルという […]
posted on2019.8.17.

今日も風が吹く

こんな日はただひたすら閉じていたい このまぶたを かたくなに (誰々がお前を批判しているよ) (誰々がお前をネタに笑っているよ) (誰々がお前を誹謗しているよ) (誰々がそこかしこで) (誰々があちらこちらで) えー、そ […]
posted on2019.8.17.

セルゲイの遺書

この世界には二通りの人間がいる 星を産む者と星を食む者だ 欄干のない橋のような人生を それでも懸命に歩き続けた君の 震える背中を遊び半分で押した 白々しい者たちへ 僕が贈るべきものとは何なのか 夜空に星が飾られる夜には […]
posted on2019.8.17.

年縛り

スマホを機種変したので アドレス帳を整理しました もう会わない名前たちを 一括で削除しました 未送信トレイに残っていた あけっぴろげな想いの残滓を 建前と共に飲み干しました 取り返しのつかないことだけが 今も私に苦悩を強 […]
posted on2019.8.17.

アナベル

気がついた時にはもう 血まみれではなかった しかしながら私もまた 命として立ち尽くして 何度も夕暮れを見送り 涙さえ流した夜もあり そのことをどうしても 忘れることは叶わない この街でこの星で 名前のない場所を 探してい […]
posted on2019.8.17.

阿部礼二は僕らを殺し続ける

何が起きた あの日あの時 風が吹いた あの日あの時 それだけだ ただそれだけ アジサイも萎れてしまった (何も考えるな) 鼓動は徹底的かつ正直に脈打つ そんなことはわかっていたのに 何を喚いて叫び求めたところで 机の上の […]
posted on2019.8.17.

リサイクル

あなたが教祖に転職したら 私が信者になってあげるね そんな冗談をケラケラ放ち 僕を慰めてくれたお母さん 何も信じられないから 信じられるものを自ら こしらえたいと願った たったそれだけの為に 舌を売り飛ばしました そうで […]
posted on2019.8.17.

優しい窓辺に風鈴がひとつ

私は優しい世界しか知らない 仕舞い忘れられた秋口の風鈴みたいに 必要ないと笑われたものばかり両腕に 大切に抱えて暮らしています 夕焼けってあれさぁ 空は火傷してないの だってすごい赤だよ 空は痛くないのかな そんなことを […]
posted on2019.8.15.

【断片】 <思いつき>

誰にとっても了解可能な言葉に呪詛は宿らない だからあなたの唇はいつも乾いていたのかしら /いくら舌舐めずりしたところで 満たされることなどなかったね/ だから私は(as 虚しい抵抗)「これ」を並べる ランパトカナル ラン […]
posted on2019.1.17.

かけっこ

2019って素数だと思っていたから、ものすごく怖かったの。そこへ673で割れるって、だからあいつは素数じゃないって、教えてくれたのは通りすがりの三毛猫でした。語尾に「にゃあ」とか附いているのかと思ったら、それは流暢な日本 […]
posted on2018.12.26.

レインツリー

あなたはレインツリー 両手を広げて分裂する あなたはレインツリー 地球を抱きしめて干る なにもかも アイシテル のせいかな テールランプの明滅に 揺らぐ自我を投影して 脳内ではオルゴールが 逆再生でカノンを奏で 苦しいっ […]
posted on2018.12.22.

深海魚

宇宙が広いだとか 地球が丸いだとか そんなこと知らない 深海魚は 空の色を知らない そよ風を知らない 満月がほころんでも なんにも見えないから 目覚めを忘れてる 太陽がゲラゲラ笑っても なんにも聞こえないから 安穏を失く […]
posted on2018.12.14.

午前3時のスープ

優しいあなたの 心はいつも血まみれ 生きているんだね。 その匂い、私は好きよ 優しいあなたの 血まみれの心に触れ 生きていくんだね。 この味ごと、大好きよ 愛という言葉の正しい使い方を知らないから、とりあえず刻んで干して […]
posted on2018.12.4.

出口

どこをどう見ても 出口しかないんだ まだ出たくはない 初めてピアスを開けた日の 鈍い痛みは耳朶が覚えてる 優しくなれない私に代わり 飾りを揺らして泣いている カーテンだらけの部屋に夜が 星を連れてやってきたけれど 誰も光 […]
posted on2018.11.28.

ギフト

あたかもそれが正当であったかのように貴方は傷だらけで笑う。トレモロを弾く指先に噛みつきたい私の破瓜、それを浅ましいと言い捨てたのと同じ目で。 あたかもそれが正答であるかのように貴方はかさぶたを磨く。いつ剥がれてもいいよう […]
posted on2018.11.27.

新宿

みんなに嫌われているのが 新宿という場所だとしたら それ私と一緒だ  みんな通り過ぎてくだけで 汚すだけ汚して去ってゆく それ私と一緒だ  街を彩るネオンは苦手だけれど 少しだけ前を向いてくれないか 疲れた顔がよく似てい […]
posted on2018.11.22.

紅涙確率

雨はまだ降っていない 街の話だけれど 木枯らしのエチュードで 枯葉たちが踊っている  雨はまだ降ってくれない 心の話だけれど 涙を流せなくなってから 道化がずっと笑ってる  心を開けと人は言うけれども 開いたら開いたで傷 […]
posted on2018.11.19.

クリアトーン

透明な絶望に色を与えるよりも 既に血が赤いその理由を考える 幻と仲のいいあなたの抱く傷は 私には癒すことができないけど 透明な感情に意味をつけるより 一緒にいることを月並みだけど 運命とか決まりと呼んでみたい お互いの過 […]
posted on2018.11.16.

記念日

今日は【ふたり】にとって大切な日になりました。 許し、許され、大きく一歩前に進むことができました。 お互いと、支えてくれている皆さんに感謝します。 ありがとうございます。
posted on2018.11.15.

オリオン座

今年も会えたね、夜空には無常以上に官能的なオリオン座。あらゆる逢瀬を見守っている。あるいは睨みつけている。 どんなに燃やしても消えないのは無責任な恋心。落ちたらみんな馬鹿になる、そういう仕組みだ、今も昔もこれからも。 街 […]
posted on2018.11.15.

ルルのしっぽ

誰のための眼球か! 考えたこともないくせに 目に映る全てを憎むと 焦燥の中で言い放った君よ アキアカネは憐れむ 眼球のことを心から かわいそうな奴だと そして 君のことを本気で 無知蒙昧な存在だと 優しくなれないのなら […]
posted on2018.11.15.

万が一

万が一、どこかの偉い人が、 「明日は、月曜日です」なんて言ったら! 君は襟を正して出勤できますか? 万が一、どこかの偉い人が 「明日は、9月1日です」なんて言ったら! 君は宿題を片付けられますか? 万が一なんてことは、 […]
posted on2018.11.15.

アザミ

笑顔を売るのが得意な道化にきいた 幸せですか だとしたら それは正しいことですか 凛と咲くアザミの白々しさに 息を飲んだ少女の熟した胸元に ゆでたまご研究家が虫めがねを近づける お嬢さん お嬢さん 破瓜を望むお日様の願い […]
posted on2018.11.15.

パンダの哲学

夕暮れの架線 連なる列車の陰に隠れて パンダが寝っ転がっていた 春風にひらひらと 落ちる梅の花びら見ながら アスファルトの上にごろんと これはもしかして非日常ってやつですか? 口当たりはやや偏屈だが 思ったよりドラマチッ […]
posted on2018.11.15.

りるりる

りるりる エイプリルは嘘つきの 夜明けに奏でるドルセラ弾き 甘味はどうしたの もっと求めなさいよ 火星が燃える…! りるりる そんな響きと迂遠した湾岸通りに 夕暮れ夢見る死神ごっこ エイプリル君は 明日何人に愛でられるの […]
posted on2018.11.15.

私が女の子だったころ

私が女の子だったころ 私にはなんでも空想できて その代りなぁんにも無かったのよ、と彼女は笑った。 彼女に言わせればこの世には 逆回りする懐中時計を 首からぶら下げてブランコを漕ぐウサギがいて いつも寂しい、寂しいとぼやい […]
posted on2018.11.15.

あの海

目の前で息絶えた夏を あの海まで連れてった あの日君と見た あの海まで連れてった オレンジ色の車に乗って あの曲を聴きながら 一緒に途方に暮れた あの海は今、 夕凪に誘われて 思考停止中です 空蝉に身を焦がして 猜疑心を […]
posted on2018.11.15.

金魚

例えば真白な紙を渡されて 「お好きに描きなさい」 などと言われたら私の右手は萎縮する また譜面を渡されて 「思うままに奏でなさい」 などと言われたら私の両手は萎縮する 泣くほどのことじゃないから そこで流す涙など欺瞞の塊 […]
posted on2018.11.15.

応答セヨ

変わり果てた声を 聞かせたくて歌っています 卑劣な貴方は耳を塞ぐでしょう その論法で何人葬ったの? 犬が果てている路傍で せっかちに盛夏を待つ青年の こめかみに棲みついた妄想は 彼に新しい刃を握らせた 「こちら、天国方面 […]
posted on2018.11.15.

夏の終わりとマリー

夏の終わりと君のエコーが 重なったときに蝉は逝く 猫はいそいそ秋支度 落ち葉の衣を探してる 澄まし顔した少女が 君のくしゃみに驚いた マリー、僕は無条件に悲しくなる 嘘をついたね また一つ 嘘をついたね とびきり優しく […]
posted on2018.11.15.

ミックスジュース

ミックスジュースを飲んでみる 悲しくなってグラス割る 1+1を間違える 悲しくなって酒を飲む モモイロペリカン旅に出る 悲しくなって 名前呼ぶ おお そこの君! 忘れものだよ ゴムボール 夜が来てまた朝が来て 期待の次に […]
posted on2018.11.15.

ルルよ

愛猫のルルが旅に出たので 僕もそろそろ身支度を始めます 紫煙の向こう側をそろそろ知らなきゃいけないから 君には暗号だけ残しておきます グリル転置式で解けましょう 貴方からの手紙は 燃やしました 宝物しかない倉庫は 燃やし […]
posted on2018.11.15.

クラゲ

ここから夢方面へ300kmにある 海には少女が浮かんでいます 水母という名前の あるいは海月という名前の ふよふよと 月夜の晩、ハサミを持った青年が 孤独を切り取り海に飛び込みました それは美しい光景でした と、主張する […]
posted on2018.11.15.

「きれい」

ああ、雲が泣きます、怒ります いままでずっと 大切に持っていた 「!」 を白い包装紙と青いリボンでくるんで あなたに届けます 開けた途端に驚いてください いままでずっと 大切に持っていた 「?」 を黒い包装紙と赤いリボン […]
posted on2018.11.15.

過去形の花嫁

その日は漢字テストで 初めて100点をとった日で ペシミストのお姉ちゃんが 仰々しく祝福してきた 100点なんてなかなかとれないよ 足の指でソナチネを弾くくらい とってもすごいことなんだよ 海老反りをしながら お姉ちゃん […]
posted on2018.11.15.

星座になる

傷を見せ合って 時に舐めあって 浸る感傷にも飾りがついたら 帰るべき場所をやっと見つけた 二人、寂しかったよ 一緒にいても 足し算できない孤独が纏わり付いて 傷をきらびやかにさせたんだ 三拍子から変拍子へ 光の射さない方 […]
posted on2018.11.15.

予報外れ

心にも予報外れの雨が降ります するとわたくしは もう 孤独を知った気になって かさかさの肌の下で とろとろと血が流れているなんて 信じないことにするのです 母から始めて叩かれた日 父から哀れな目で睨まれた夜 わたくしは […]
posted on2018.11.15.

青と素数

女が感傷に浸り 手首の傷跡をなぞる夜 素数を数えていた男は ふうっと息を吐く それがとても白かったものだから すっかり冬ねとこぼしても 男はメルセンヌ数を逆さにして ひたすら暗誦しているばかり 私は2よ。 孤独の素数。 […]
posted on2018.11.15.

ケーキ屋

(1) ケーキ屋の隣に歯医者がある。僕はなんとなくそれを笑っていたのだけれど、君の住む街では病院の向かいに斎場があるらしいね。 (2) 斎場の隣に焼肉屋ができたと聞いた時には、「無神経」の意味を思わず辞書で引いてしまった […]
posted on2018.11.15.

グリーンスリーブス

紅葉が燃えるような美しさに包まれる景色を見た。しかし彼はそれを「葉の色素が死んだ物質の沈殿」としか認識せずに、薄笑いながら鼻歌を歌う。それは確か、グリーンスリーブスだ。 私はその音色にギクリとして、ティースプーンをテーブ […]
posted on2018.11.15.

オリオン座

沈黙は美しすぎて 怖くなるから破ってしまった 秘すれば咲く花 散りました 夜空に煌めくお星様 今年も出逢えたオリオン座も 無常以上に官能的に 彼方へ沈んでいくのでしょう 置いてかないで 目を凝らしていて 明日まで待てる自 […]
posted on2018.11.15.

回転木馬を想え

容易く祈ってはならないと あれほど言ったのに お前はまた手を組んで 両目をきつく閉じている その隙に僕は薄氷の上で お前の影を盗むのだ お前がこれ以上何も望まないよう それを拒絶するならば 回転木馬のことを想え まわる […]
posted on2018.11.15.

輝き(命名権)

とぷん、とぷん、 君の心臓は面白い音がするね。 ぐらん、ぐらん、 君の自意識はすぐに揺らぐね。 今まで見てきた星の中で もっとも美しいそれには まだ名前がないんだっけ ぱちん、ぱちん、 どこかで何かの爆ぜる音がしている。 […]
posted on2018.11.15.

血管

こころに血管が通っていたら 私のそれはきっと 太く短くあり それでいて伸縮性に富み 時折ぐるんとうねっては ずどんずどんと感情を吐き出し ぶるると震えることでしょう 寒くて震えるわけではなく 悲しくて震えるわけではなく […]
posted on2018.11.15.

影よ

散々ないがしろにした おのれの影を抱くと そいつはしとしとと泣いており あらためて 可哀想なやつだと思った 鏡で自分を見るとき なるべく微笑むのは そうでもしないと 睨まれることを よく知っているから くたびれた我が影よ […]
posted on2018.11.15.

tremolo

どうしても僕のものにならないのなら、壊してしまったほうがいいと考えていた時期もありました。そんな拙いことを、本気で。 桜色の袴が似合う人でした。卒業式の学長のスピーチなんてまったく頭に入ってこなくて、僕の視線はその桜色に […]
posted on2018.11.15.

神無月に添える詩

ボロボロと涙が降る夜は、神無月に居残る祈りを未練と呼ぼう。それだけで救われることもあるから、なんてね。 君は無力だ。青春のやり直しをスクリーンに求めてばかりで、性懲りもなくときめいている。それで満たされるほど単純で簡素な […]
posted on2018.11.15.

秘密

あなたの寝顔を見るとき、それが真夜中のベッドの上だろうと京王線の中だろうと、私は願わずにいられない。 叶うのなら、もうあなたが苦しむことのないよう、そのままずっと夢の中にいてほしい、と。 伽羅の香りのする欲望は、この季節 […]
posted on2018.11.14.

citrus in the dark/waltz

私はあなたの傷のありかを知っている。あなたが一番痛がる場所を知っている。知っていながら、そこをえぐる。知っているからそこそ、そこをえぐる。三拍子でえぐる。それが罪になるのなら、もう恐れるものは何もない。失うものといえば太 […]
posted on2018.11.14.

月兎

「君を、抱いていいの」 まるで罪の告白、或いはあどけない脅迫。それは前奏のないポップスのように明け透けだ。 私は許しを与えるように首を縦に振った。 「本当に?」 疑心暗鬼に支配された言葉。信じられないということは一種の弱 […]
posted on2018.11.14.

マグカップ(All you need is…)

貴方が寝ぼけ眼で毎朝淹れてくれるコーヒーは、私にとって幸せの香りだ。駅前で買ってくるそれらは、専門店で挽かれてその場で真空パックされる。鮮度を保つために。 私は、たまに貴方を真空パックにしたいと思う。刻一刻といつかやって […]
posted on2018.11.14.

プリンセスプロファイル

人魚のことなんだが あいつは嫉妬深くて 海の藻屑になって尚 眼球だけは漂わせて 王子様が老いてゆく その様を炯炯として 睨み続けているのだ 灰かぶりについては 極彩色の復讐を企て 新品のギターを買い しならせる特訓中で […]
posted on2018.7.13.

秘密

あなたの寝顔を見るとき、それが真夜中のベッドの上だろうと京王線の中だろうと、私は願わずにいられない。 叶うのなら、もうあなたが苦しむことのないよう、そのままずっと夢の中にいてほしい、と。 伽羅の香りのする欲望は、この季節 […]
posted on2018.6.26.

水無月に添える詩

ボロボロと涙が降る夜は、水無月に居残る祈りを未練と呼ぼう。それだけで救われることもあるから、なんてね。 君は無力だ。青春のやり直しをスクリーンに求めてばかりで、性懲りもなくときめいている。それで満たされるほど単純で簡素な […]
posted on2018.6.15.

citrus in the dark/waltz

私はあなたの傷のありかを知っている。あなたが一番痛がる場所を知っている。知っていながら、そこをえぐる。知っているからそこそ、そこをえぐる。三拍子でえぐる。それが罪になるのなら、もう恐れるものは何もない。失うものといえば太 […]
posted on2018.4.18.

食卓

あなたはいつも通り私を脅迫して ときめきを強要するけれど 指示どおりに高鳴るこの胸を どうか今すぐ解剖してほしい 目のイメージ! 黒い目、青い目、赤い目、涙目。 どれも綺麗だから困るんだ (特に、涙は飾りですからね) あ […]
posted on2018.4.4.

マグカップ(All you need is…)

貴方が寝ぼけ眼で毎朝淹れてくれるコーヒーは、私にとって幸せの香りだ。駅前で買ってくるそれらは、専門店で挽かれてその場で真空パックされる。鮮度を保つために。 私は、たまに貴方を真空パックにしたいと思う。刻一刻といつかやって […]
posted on2018.3.21.

tremolo

どうしても僕のものにならないのなら、壊してしまったほうがいいと考えていた時期もありました。そんな拙いことを、本気で。 桜色の袴が似合う人でした。卒業式の学長のスピーチなんてまったく頭に入ってこなくて、僕の視線はその桜色に […]
posted on2017.12.14.

影よ

散々ないがしろにした おのれの影を抱くと そいつはしとしとと泣いており あらためて 可哀想なやつだと思った 鏡で自分を見るとき なるべく微笑むのは そうでもしないと 睨まれることを よく知っているから くたびれた我が影よ […]
posted on2017.12.9.

血管

こころに血管が通っていたら 私のそれはきっと 太く短くあり それでいて伸縮性に富み 時折ぐるんとうねっては ずどんずどんと感情を吐き出し ぶるると震えることでしょう 寒くて震えるわけではなく 悲しくて震えるわけではなく […]
posted on2017.12.6.

輝き(命名権)

とぷん、とぷん、 君の心臓は面白い音がするね。 ぐらん、ぐらん、 君の自意識はすぐに揺らぐね。 今まで見てきた星の中で もっとも美しいそれには まだ名前がないんだっけ ぱちん、ぱちん、 どこかで何かの爆ぜる音がしている。 […]
posted on2017.12.6.

回転木馬を想え

容易く祈ってはならないと あれほど言ったのに お前はまた手を組んで 両目をきつく閉じている その隙に僕は薄氷の上で お前の影を盗むのだ お前がこれ以上何も望まないよう それを拒絶するならば 回転木馬のことを想え まわる […]
posted on2017.12.4.

オリオン座

沈黙は美しすぎて 怖くなるから破ってしまった 秘すれば咲く花 散りました 夜空に煌めくお星様 今年も出逢えたオリオン座も 無常以上に官能的に 彼方へ沈んでいくのでしょう 置いてかないで 目を凝らしていて 明日まで待てる自 […]
posted on2017.12.3.

グリーンスリーブス

紅葉が燃えるような美しさに包まれる景色を見た。しかし彼はそれを「葉の色素が死んだ物質の沈殿」としか認識せずに、薄笑いながら鼻歌を歌う。それは確か、グリーンスリーブスだ。 私はその音色にギクリとして、ティースプーンをテーブ […]
posted on2017.11.28.

ケーキ屋

(1) ケーキ屋の隣に歯医者がある。僕はなんとなくそれを笑っていたのだけれど、君の住む街では病院の向かいに斎場があるらしいね。 (2) 斎場の隣に焼肉屋ができたと聞いた時には、「無神経」の意味を思わず辞書で引いてしまった […]
posted on2017.11.22.

青と素数

女が感傷に浸り 手首の傷跡をなぞる夜 素数を数えていた男は ふうっと息を吐く それがとても白かったものだから すっかり冬ねとこぼしても 男はメルセンヌ数を逆さにして ひたすら暗誦しているばかり 私は2よ。 孤独の素数。 […]
posted on2017.11.14.

予報外れ

心にも予報外れの雨が降ります するとわたくしは もう 孤独を知った気になって かさかさの肌の下で とろとろと血が流れているなんて 信じないことにするのです 母から始めて叩かれた日 父から哀れな目で睨まれた夜 わたくしは […]
posted on2017.11.6.

星座になる

傷を見せ合って 時に舐めあって 浸る感傷にも飾りがついたら 帰るべき場所をやっと見つけた 二人、寂しかったよ 一緒にいても 足し算できない孤独が纏わり付いて 傷をきらびやかにさせたんだ   三拍子から変拍子へ […]
posted on2017.11.6.

過去形の花嫁

その日は漢字テストで 初めて100点をとった日で ペシミストのお姉ちゃんが 仰々しく祝福してきた 100点なんてなかなかとれないよ 足の指でソナチネを弾くくらい とってもすごいことなんだよ 海老反りをしながら お姉ちゃん […]
posted on2017.11.6.

「きれい」

ああ、雲が泣きます、怒ります   いままでずっと 大切に持っていた 「!」 を白い包装紙と青いリボンでくるんで あなたに届けます 開けた途端に驚いてください   いままでずっと 大切に持っていた 「? […]
posted on2017.11.6.

クラゲ

ここから夢方面へ300kmにある 海には少女が浮かんでいます 水母という名前の あるいは海月という名前の ふよふよと 月夜の晩、ハサミを持った青年が 孤独を切り取り海に飛び込みました それは美しい光景でした と、主張する […]
posted on2017.11.6.

ルルよ

愛猫のルルが旅に出たので 僕もそろそろ身支度を始めます 紫煙の向こう側をそろそろ知らなきゃいけないから 君には暗号だけ残しておきます グリル転置式で解けましょう   貴方からの手紙は 燃やしました 宝物しかない […]
posted on2017.11.6.

ミックスジュース

ミックスジュースを飲んでみる 悲しくなってグラス割る 1+1を間違える 悲しくなって酒を飲む モモイロペリカン旅に出る 悲しくなって 名前呼ぶ おお そこの君! 忘れものだよ ゴムボール 夜が来てまた朝が来て 期待の次に […]
posted on2017.11.6.

夏の終わりとマリー

夏の終わりと君のエコーが 重なったときに蝉は逝く 猫はいそいそ秋支度 落ち葉の衣を探してる 澄まし顔した少女が 君のくしゃみに驚いた マリー、僕は無条件に悲しくなる 嘘をついたね また一つ 嘘をついたね とびきり優しく […]
posted on2017.11.6.

応答セヨ

変わり果てた声を 聞かせたくて歌っています 卑劣な貴方は耳を塞ぐでしょう その論法で何人葬ったの? 犬が果てている路傍で せっかちに盛夏を待つ青年の こめかみに棲みついた妄想は 彼に新しい刃を握らせた 「こちら、天国方面 […]
posted on2017.11.6.

金魚

例えば真白な紙を渡されて 「お好きに描きなさい」 などと言われたら私の右手は萎縮する また譜面を渡されて 「思うままに奏でなさい」 などと言われたら私の両手は萎縮する 泣くほどのことじゃないから そこで流す涙など欺瞞の塊 […]
posted on2017.11.6.

あの海

目の前で息絶えた夏を あの海まで連れてった あの日君と見た あの海まで連れてった オレンジ色の車に乗って あの曲を聴きながら 一緒に途方に暮れた あの海は今、 夕凪に誘われて 思考停止中です 空蝉に身を焦がして 猜疑心を […]
posted on2017.11.6.

私が女の子だったころ

私が女の子だったころ 私にはなんでも空想できて その代りなぁんにも無かったのよ、と彼女は笑った。 彼女に言わせればこの世には 逆回りする懐中時計を 首からぶら下げてブランコを漕ぐウサギがいて いつも寂しい、寂しいとぼやい […]
posted on2017.11.6.

りるりる

りるりる エイプリルは嘘つきの 夜明けに奏でるドルセラ弾き 甘味はどうしたの もっと求めなさいよ 火星が燃える…! りるりる そんな響きと迂遠した湾岸通りに 夕暮れ夢見る死神ごっこ エイプリル君は 明日何人に愛でられるの […]
posted on2017.11.6.

パンダの哲学

夕暮れの架線 連なる列車の陰に隠れて パンダが寝っ転がっていた 春風にひらひらと 落ちる梅の花びら見ながら アスファルトの上にごろんと これはもしかして非日常ってやつですか? 口当たりはやや偏屈だが 思ったよりドラマチッ […]
posted on2017.11.6.

アザミ

笑顔を売るのが得意な道化にきいた 幸せですか だとしたら それは正しいことですか 凛と咲くアザミの白々しさに 息を飲んだ少女の熟した胸元に ゆでたまご研究家が虫めがねを近づける お嬢さん お嬢さん 破瓜を望むお日様の願い […]
posted on2017.11.2.

万が一

万が一、どこかの偉い人が、 「明日は、月曜日です」なんて言ったら! 君は襟を正して出勤できますか? 万が一、どこかの偉い人が 「明日は、9月1日です」なんて言ったら! 君は宿題を片付けられますか? 万が一なんてことは、 […]
posted on2017.11.2.

ルルのしっぽ

誰のための眼球か! 考えたこともないくせに 目に映る全てを憎むと 焦燥の中で言い放った君よ アキアカネは憐れむ 眼球のことを心から かわいそうな奴だと そして 君のことを本気で 無知蒙昧な存在だと 優しくなれないのなら […]