水無月に添える詩

ボロボロと涙が降る夜は、水無月に居残る祈りを未練と呼ぼう。それだけで救われることもあるから、なんてね。

君は無力だ。青春のやり直しをスクリーンに求めてばかりで、性懲りもなくときめいている。それで満たされるほど単純で簡素な第二次性徴期だったのかい。設計図を拝見したいね。

夜ひとつの越えかたも知らずに、夢ばかり見ている君は本当に幸せだ。怒りに身を任せていくらでも喚ける君は、本当に。本当だ。間違いない、幸せだ。

最近いつ土の匂いを嗅いだ? ふざけた犬みたいにさ。見下げるのはおやめよ、君だって大差ない。とりわけ、丁寧にトリミングされたプードルなどの噛み付く姿などは想像し難いだろう。

後悔だらけだ! 会いたい人に会わず、食べたいものを食べず、余計なものを吐き出し、見栄を張っては失敗し、諸手を上げて賞賛し続けた日々がもはや愛しい!

白いきれいな腕が伸びてきて、たぶん女神様のそれだったんだろうけれども、淀んだ目をした暇人がそれを切断してしまったのでした。

めでたしめでたしを捕まえろ。可及的速やかに、だ。

蔦と鳥が企画した君の首絞めごっこだけれど、先に蔦が千切れちゃった。期待はずれもいいところだね。

三番線から夏の気配がします。それを途絶のはじまりと水無月の青空にしたためた者はもう、地球を救って帰宅済み。

ジュワッ!

季節外れの渡り鳥も一緒にときめきを盗んで飛び立ってゆく。ひとり遺された私はまだ夢の中で君を否定し続けている。なんだ、幸せなのは私のほうだったんだね。

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