影よ

散々ないがしろにした

おのれの影を抱くと

そいつはしとしとと泣いており

あらためて

可哀想なやつだと思った

鏡で自分を見るとき

なるべく微笑むのは

そうでもしないと

睨まれることを

よく知っているから

くたびれた我が影よ

いつだって一緒にいてくれた

苦労をかけてすまないね

錆びついた我が影は

すっかり空転しては

何物とも噛み合えずに

カラカラと

カラカラと

孤独が抱きついてきたので

必死に振りほどいた

その優しさが怖かった

まっすぐ信じられない私の弱ささえ

許してくれる優しさが

影は一縷でも光の差した場所での

あらゆる出来事の下敷きになってきた

こんな私の

こんな私の

見ないフリしてごめんなさい

軽んじて本当にごめんなさい

許さなくってもいいのです

別に軽蔑してもいいのです

それでもまだ一緒にいてくれるのなら

それは限りなく奇跡に近い必然だと

どうか勘違いさせてください

ラ、ララ、と歌えば

ル、ルル、の重低音

ハーモニーとはすなわち

ともに生きる覚悟のことだと

風のように教えてくれたのは影だ

他ならぬこの影だ

私の足跡を何より知っているのは

間違いなくあなただから

これからはそんなあなたを誇って

光を恐れず歩んでいこう

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