予報外れ

心にも予報外れの雨が降ります
するとわたくしは
もう
孤独を知った気になって
かさかさの肌の下で
とろとろと血が流れているなんて
信じないことにするのです

母から始めて叩かれた日
父から哀れな目で睨まれた夜
わたくしは
全然孤独ではなくて
(おかしいな
こんなに痛々しいのに)

覚悟なんてありませんでした
やすっぽい刃を手首に宛てて
それで
孤独をあがなったつもりになっていました

それでもなお満たされない理由なら
満ちた瞬間から欠けてゆく月が
はるか昔から証明していたでしょう

自分の一部が
地球に還るとき
わたくしは
きちんと泣けるのでしょうか

心にざんざん雨が降ると
傘を差し出してくれる人ができて
わたくしの孤独を邪魔します
それは本当に恐ろしい存在なのです
失うのが何よりも恐ろしいのです

(歩けなくなる!)

歩けなくなったら
一緒に揺れようか
揺られなくなったら
一緒に眠ろうか

心にも予報外れの風が吹く
孤独にしがみついていた
むかしむかしの物語を
ろうろうと読み解いてくれた人よ

もし一つだけ願いが叶うなら
わたくしのあけすけなこの願いを
あなたのとろとろの血に溶かしてください

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